クワ科 MORACEAE 
アコウ Ficus superba (Miq.) Miq. var. japonica Miq.
常緑の高木で樹高5〜20mになる。幹や枝から気根を生じる。雌雄同株。本州(紀伊半島)、四国、九州、琉球列島に分布し、海岸近くの樹林や開けた場所に生育する。
樹形  葉の側脈は6〜8対。  葉裏
葉腋や葉痕の脇に直径8〜10mmの花嚢をつける。 樹幹 葉は枝先に集まる。
2010.02.25 沖縄本島(具志頭城)

ガジュマル Ficus microcarpa L.f.  
常緑の高木で樹高8〜20mになる。幹や枝から気根を生じる。雌雄同株。屋久島以南に分布し、小笠原諸島では野生化している。海岸近くの樹林や林縁部に生育する。
樹形 葉身 葉裏
葉腋に単生する無柄の花嚢  樹幹 気根
左上: 2006.02.06 竹富島  左下・中上・中下・右下: 2008.05.16 奄美大島(名瀬市)  右上:2010.02.27 沖縄本島(海洋博公園)

オオイタビ Ficus pumila L.  
常緑のつる性木本。雌雄異株。本州(千葉県以西の太平洋側)、四国、九州、琉球列島に分布する。海岸近くの開けた場所や崖に生育し、特に石灰岩地域に多い。
石垣に群生する様子 葉身 葉裏。側脈の中肋からの開出角度は30〜40度。

  2010.02.27 沖縄本島(海洋博公園)
花嚢は球形から倒卵形で、直径20〜40mm。

イヌビワ Ficus erecta Thunb.
落葉の低木で樹高1〜5mになる。雌雄異株。本州(関東以西)、四国、九州、琉球列島に分布。樹林や林縁部に生育する。葉身が線状披針形になるものをホソバイヌビワ f.sieboldii (Miq.)Corner という。
 葉身  葉裏 ホソバイヌビワの葉   

  左上・左下・中上・中下: 2010.02.28 沖縄本島(山原)
  右上: 2010.03.01 沖縄本島(名護市)
 枝先に着く花嚢   花嚢の拡大

ハマイヌビワ Ficus virgata Reinw. ex Blume  
常緑の低木もしくは亜高木で樹高2〜8mになる。しばしば、幹や枝から気根を生じる。雌雄異株。奄美大島以南の琉球列島に分布する。海岸近くの樹林や林縁部に生育し、特に石灰岩地域に多い。
葉裏

 左上・左下:2010.02.25 沖縄本島(具志頭城)
 中上・中下:2010.02.26 沖縄本島(首里城公園)
 右上: 2010.02.25 沖縄本島(具志川城)
花嚢は無柄。花嚢の基部が柄のように伸びる。 樹幹

ギランイヌビワ(コニシイヌビワ) Ficus variegata Blume  
常緑の高木で樹高8〜15mになる。雌雄異株。八重山諸島の樹林や林縁部に生育する。
花嚢は葉腋につかず幹に群生する。  葉裏
花嚢  樹幹。板根を形成する。 若枝や葉柄には、はじめ微毛があるがのち無毛となる。
左上・左下:2006.04.26 石垣島(バンナ公園) 中上・中下・右上・右下:2006.02.05 石垣島(米原ヤエヤマヤシ群落)

アカメイヌビワ(ハルランイヌビワ、コウトウイヌビワ) Ficus benguetensis Merr.  
常緑の高木で樹高3〜7mになる。雌雄異株。奄美大島以南の琉球列島に分布する。樹林や林縁部に生育し、特に渓流沿いに多い。
 若枝は赤く、あらい毛がある。葉腋に花嚢を生じる。 葉身。基部は鋭形〜浅心形で葉柄との境は明瞭。 葉裏
幹に群生する花嚢。柄の長さは2〜20mm。  樹幹。幹と枝の両方に花嚢を生じている。 葉柄は1〜3cmであらい毛がある。
左上:2010.03.01 沖縄本島(名護) その他:2010.02.28 沖縄本島(山原)

オオバイヌビワ Ficus septica Burm.f.  
常緑の亜高木で樹高3〜8mになる。雌雄異株。奄美大島以南の琉球列島に分布。開けた場所や林縁部などに生育する。
 葉身。基部は鈍形で僅かに葉柄に流れることが多い。 葉裏 花嚢は葉腋に単生し、柄は太く短い。

  2010.02.26 沖縄本島(首里城公園)
樹幹  葉柄や若枝は無毛。

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