ドクゼリ Cicuta virosa L.
生態:
無毛の多年生草本。標高1600m以下の湿った草地に生育する。

分類:
小葉が幅2mm以下の細い線形のものをヒメドクゼリ f.angustifolia (Kitaib.)Schude という。

2006.08.20 岩手県奥州市胆沢区
高さ:60~100cm

茎:根茎は太く緑色で節がある。茎は中空で、多くの枝を出す。

葉:根生葉と下部の茎葉に長い柄がある。葉は三角状卵形で長さ30~50cm、2回羽状複葉、小葉の最終裂片は線状披針形~広披針形で頂端は鋭形、長さ3~8cm、幅は0.7~2cm。鋭形でのこぎり状の鋸歯をもつ。
茎の先端の茎葉はほぼ無柄、小形であまり分裂しない。

花序:複散形花序は無毛で多数あり、小散形花序の柄は約20本、長さ3~7cmである。
小散形花序は10個以上の花がつき、小花柄は細長く8~10mm。

苞:複散形花序は総苞を欠く。小苞は少数で線形、長さ3~7mm。

花:花弁は白色。花期は6~8月。萼歯片は三角形。

果:果実はほぼ球形で緑色、長さは約2.5mm、黄色い肋がある。

分布:日本、韓国、中国、シベリア、ヨーロッパ、おそらくアラスカにも分布する。 
 ドクゼリ分布図
 分布図の内容については、新しい資料の収集等により修正することがあります。
 茎葉 葉柄基部の様子
 葉の羽片 小羽片の裏面
果期の小散形花序  果実
根茎の様子  根茎の断面
  一段目、三段目:2006.08.20 岩手県奥州市胆沢区
二段目:2007.09.12 北海道、屈斜路湖
四段目:2009.06.11 岩手県、御所ダム

参考文献
Iwatsuki,K. D.E.Boufford&H.Ohba eds.(1999) Flora of Japan Vol.Ⅱc, KODANSHA
Yamazaki,T. (2001) Umbelliferae in Japan Ⅱ. J.Jpn.Bot., 76(5):277.
佐竹義輔ほか(1982)日本の野生植物Ⅱ草本離弁花類.平凡社

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