オオバセンキュウ Angelica genuflexa Nutt. ex Torr. et A.Gray 
 
生態:
大型の多年生草本。花期は7〜9月。 果は8〜10月。
北海道、本州中北部の山地の峡谷や流れ沿いの湿った草地に生育する。
本州では標高700〜2000m、北海道では低地から標高1800mの高さに分布する。


羽片は開出し、節毎に下方へ弓状に曲がる

                   左、上:2006.08.20 早池峰山(岩手県)
高さ:高さ80〜150cm。

茎・根茎:茎は中空で無毛、頂部で枝を分ける。根茎は太い。

葉:根生葉と基部の茎葉は有柄。葉身は1〜2回3出羽状複葉でやや大きい。
羽片は開出し、節毎に下方へ弓状に反り返り広披針形〜狭卵形。
長さ3〜10cm、1〜2.5(〜3)cm、頂端は長い鋭先形、基部は不規則な鋭形の歯牙をともなって狭くなる。葉の両面の脈上と縁には突起状の毛がある。

花序:複散形花序。やや多数。総花序の柄の頂部と小散形花序の柄の内側、小花柄に密に突起状の微軟毛がある。小散形花序の柄は40〜60本。
小花柄は30〜50本で細長く、長さ10〜18mm。

苞・小苞:小苞は少数、線形〜糸状。小花柄と同長かやや短い。

花:子房には微軟毛がある。

果:広披針形で長さ4〜5mm、両端は凹頭、側面の肋は広い翼になる。油管は肋間に単生する。合生面には4個。花柱は細長く、長さ1.5〜2mm。

分布:日本、千島列島、サハリン、カムチャツカ、北米大陸の北西部に分布。 
 オオバセンキュウ分布図
 分布図の内容については、新しい資料の収集等により修正を行なっていく予定です。
小散形花序  複散形花序の柄の頂部には密に突起状の微軟毛がある
 小葉(葉表) 小葉(葉裏)
 葉の両面の脈上と縁には突起状の毛がある  果
果:2009.10.7 山形県西川町、その他の写真:2006.08.20 早池峰山(岩手県)

参考文献
Iwatsuki,K. D.E.Boufford&H.Ohba eds.(1999) Flora of Japan Vol.Uc, KODANSHA
Yamazaki,T. (2001) Umbelliferae in Japan V. J.Jpn.Bot, 76(6):307-320.
佐竹義輔ほか(1982)日本の野生植物U草本離弁花類.平凡社
北村四郎・村田源 (1986)原色日本植物図鑑草本編U離弁花類.保育社

セリ科植物トップページへ戻る